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ネパールオリンピック委員会・福島県田村市と東京五輪陸上競技事前キャンプに関する合意

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2018年8月3日、ネパール連邦共和国の首都カトマンズにおいて、田村市、ネパールオリンピック委員会(NOC)、(一社)アスリートソサエティ(AS)の3者で「第32回オリンピック競技大会事前キャンプに関する協定書を締結し、田村市がネパール連邦民主共和国陸上競技の事前キャンプ地に決定しました。調印式は、現地時間8月3日NOC内で行われ、田村市:皮籠石直征副市長(カワゴイシ ナオユキ)、NOC:ジーバン ラム シュレスタ会長、AS:青木崇行事務局長(アオキ ソウコウ)、署名立会人として西郷駐ネパール日本国特命全権大使が出席しました。協定では、ネパール連邦民主共和国陸上競技チームの事前キャンプを田村市で行うこと、同国陸上選手の強化を行うこと、継続的にスポーツ・文化交流を行うことが合意され、2020年の東京オリンピックに向け3者間で交流や協力をしていくことが確認されました。本協定締結は、AS代表理事を務める為末大がNOCスポーツ親善大使として、同国で陸上クリニックを開催してきたことを契機に、事前合宿受け入れ地である田村市との調整を経て実現しました。また、NOCはマラソンチームの強化を希望していることから、ASを通し元マラソン女子日本代表の中村友梨香氏が特別コーチとして東京オリンピックを目指すマラソン選手、ネパール代表のコーチ陣をサポートいたします。8月4日にはカトマンズ市内の競技場で中村氏によるネパール人ランナーへの陸上クリニックやワークショップをおこないます。今後は、ネパールからマラソン選手・コーチを田村市に招待し市内施設で合宿、学校訪問を行う他、田村市民にネパール文化を理解いただくような文化交流プログラムをおこなう予定です。

福島県田村市長 本田仁一

東京オリンピック・パラリンピックは、復興五輪という位置付けであり、これまでの世界各国からのサポートにお応えする機会と捉えています。一方で、ネパールも2015年の大地震からの復興に向けて、作業が一歩一歩前に進んでいます。今回、少しでもネパールの復興を後押しできるよう、オリンピックに関わる交流や事前合宿を通じ、代表チームをサポートするとともに、文化交流なども含め、2020年以降も、田村市とネパールの友好関係を築いていきたいと考えています。

ネパールオリンピック委員会会長 ジーバン ラム シュレスタ

本日、日本の福島県田村市、一般社団法人アスリートソサエティ、ネパールオリンピック委員会の3者により、2020年東京オリンピックにおけるネパールチームの事前合宿地に関する同意書に調印できて嬉しく思います。ネパールのオリンピックに関する歴史は1964年に東京で開催されたオリンピックから始まりました。2020年に再び東京に参加できることを楽しみにして、ネパールオリンピック委員会としても準備委員会を立ち上げました。これまでのネパールチームはワイルドカードやユニバーサリティ枠を活用してのオリンピック出場が多かったのですが、2020年東京オリンピックにおいては競技力の参加水準を超えての参加を目指しております。この目標に向けて、田村市、アスリートソサエティに協力を頂きながら、競技力向上に努めます。本日調印した合意書もこの目標に向けてのものになります。改めて、田村市、アスリートソサエティと、本日同席くださった在ネパール日本大使に感謝申し上げます。

一般社団法人 アスリートソサエティ代表理事 為末大

このような素晴らしい取り組みに関わることができ幸せに感じています。ネパールからの要望もあり、元マラソン日本代表選手の中村友梨香さんが長距離強化支援を行ってくれます。若い選手たちがオリンピアンからたくさん学んでくれることだと思います。2015年にネパールは大きな地震に見舞われ、首都カトマンズでもまだ被災し壊れたままの建物があります。ネパールもまだ復興の最中にあります。復興を支援することは東京五輪を開催する上での大きな目的の一つとなっています。私たちは復興は一人一人の人生の中にあると考えています。今回の調印をきっかけに、一人でも多くの日本の子供たちとネパールの選手の可能性が拓かれることを目指し、また一人の個人としての友情が育まれることを願い、そのお手伝いができればと考えています。

ネパールマラソン代表チーム 特別コーチ 中村友梨香

私は現在、アスリートの競技力向上の為に私の経験してきた事を伝えたいと思い活動しています。今回田村市の東京オリンピック事前合宿事業を通じて初めて海外のアスリートに関われる機会をいただき大変嬉しく、私にとっては難しいチャレンジだと感じています。2008年北京オリンピックに出場しました。あの場で戦えるアスリートはごくわずかです。オリンピックを目指す中で多くの失敗や成功をたくさん経験しました。私がオリンピックを目指し競技生活を送った中で一番よかったと思うことは、人生で本気で何かに打ち込んだことがあるからこそ得られた「困難に立ち向かう力」を身につけることができたことです。それは競技をやめた今でも残っています。このような私が感じたスポーツ・オリンピックの価値をネパールのアスリートや田村市の子供たちに伝えられたらと考えています。

駐ネパール日本国特命全権大使 西郷 正道

この度はネパールオリンピックチームのためにありがとうございます。地震から3年がたちネパールも復興に向けてがんばっています。スポーツでネパールと田村市が繋がり、ひとつになることを期待しています。

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Link

・福島県田村市:2020東京オリンピックのお知らせ
・Nepal Olympic Committee:MOU signing between NOC, Tamura City Mayor and AS of Tamura City
・日刊スポーツ:元女子マラソンの中村友梨香氏、ネパール特別コーチ