AHTLETE SOCIETYブータン王国チーム寄居町で合宿
２０２０年東京五輪に向けてブータン王国陸上競技チーム、ブータンオリンピック委員会を昨年に引き続きに埼玉県寄居町招聘しました。5月17～22日の6日間に渡り、ブータンチームは寄居町に滞在、寄居町役場、地元の学校、トレーニング施設を訪問。３人の選手はホームステイも体験しながら強化合宿を行い、為末大らとトレーニングを行いました。６日間のプログラムを通して、寄居町の人々との親交を深めました。
18日午前は、ブータンチーム7人が寄居町役場を訪れ、花輪利一郎町長らが出迎え、今後との取り組みなど意見交換会が行われました。
その後選手らは寄居町立男衾小学校を訪問。歓迎セレモニーでは、小学生からあたたかい応援のメッセージをいただきました。ブータンオリンピック委員会のナムゲル・ワンチュクさんも「失敗を恐れずに何度も挑戦して下さい」とスピーチを行いました。
選手はブータンの理解をさらに深めるために、６年生対象のブータン授業を開催。ブータン語を使ったゲーム、クイズ、民族衣装を着用を通して、交流を楽しみました。小学生はアスリート達にサインをせがむ姿を見て、選手達は「こんなヒーローのような待遇を受けたのは初めて、彼らの期待にこたえられる選手になりたい」と話しました。
午後、選手達はブータンスポーツ親善大使・元オリンピアン為末大により、熊谷スポーツ文化公園にてトレーニングが行われました。内容は走り方の基本、スプリントドリルが中心。コーチ２人もビデオや写真を撮影しながら指導方法を熱心に勉強していました。
最終日22日の午前中、選手は為末大、大西正裕さん（TRACコーチ）により、新豊洲Brilliaランニングスタジアム（東京都江東区）にて、ウエイトトレーニング・補強トレーニングが行われました。初めての動きばかりだったので、選手達は興味深くトレーニングをこなしました。
午後は公認スポーツ栄養士こばたてるみさんのスポーツ栄養学、その後為末大によるトレーニング論の座学が行われました。
参加者の声
ブータンオリンピック委員会ナムゲルさん
まず、あたたかく向かえてくれた寄居町、アスリートソサエティの皆様に感謝です。昨年に引き続き寄居町には２度目の訪問になります。今回も私たちにとって有意義なプログラムで、非常に勉強になりました。昨年ブータンと日本は友好関係樹立３０周年を迎えました。これまでは農業とインフラの面で日本から多くのサポートをしていただいてきました。今回の交流を通して、これからはスポーツが日本とブータンのよりよい友好関係の鍵になると私は思います。日本とブータンの関係がずっと続いていくことを望んでいます。
YHSS校長カルマさん
世界の中でも非常に発展した日本の、寄居町に招待していただき、大変光栄でした。今回のプログラムは私たちのスポーツの発展に役立つものばかりでした。ブータンではスポーツはまだまだ理解がなく、教育とは別のものという認識があります。ここで学んだことを帰国後多くの教員と共有し、スポーツの発展に生かしていきたいと思います。最後に、私たちに親しみをもって接してくれた寄居町とアスリートソサエティーの皆様に感謝したいです。
アスリート：デネッシュさん
専門種目:100m, 200m
100m自己ベスト 11″30
200m自己ベスト 23″72
ここ日本の寄居町に滞在できたこと、夢を見ているようでした。寄居町のみなさんは私をまるで家族のように迎えてくれました。リーダーである町長の穏やかな姿勢にも感銘を受けましたし、声をかけていただけたことが嬉しかったです。オリンピアンの為末大さん、コーチ、スタッフ、寄居の皆さんのおかげで素晴らしいトレーニングを経験することができました。モチベーションが一気に上がりましたし、皆様の期待に答えられるような人になれるよう頑張りたいです。日本は僕の一番大好きな国になりました。
アスリート：タシさん
専門種目:100m, 走り幅跳び
100m自己ベスト 11″56
走り幅跳び自己ベスト 6m74（ブータン記録）
寄居町の皆様、アスリートソサエティの皆さまおかげで、大きなチャンスをいただきました。今回は小学校に訪問させていただいたのですが、皆さんは僕をスターのように扱ってくれました。非常に鼓舞されましたし、期待に答えられるようなアスリートになりたいと思いました。私は昨年に引き続き寄居町に来るのは２回目です。皆様変わらずお元気で、再開できたことが本当に嬉しかったです。皆様の協力に感謝するとともに、日本とブータンの友好関係がより強くなることを望みます。これからも努力を続けますのでよろしくお願いします。
アスリート：ペマさん
専門種目:100m, 200m
100m自己ベスト 11″64
200m自己ベスト 23″69
この旅は私にとって冒険のようでした。日本に来るのは初めてのことでしたし、想像以上のことばかりで毎日が驚きでした。為末さんをはじめとする日本のトップクラスのコーチたちに教えていただき、私がこれまでやってきたことが間違いだったと気付きました。トレーニング、食事、考え方、また一からがんばりたいと思います。寄居町の町長、サポートしてくれた皆様、ホームスティの家族、アスリートソサエティの皆様に心から感謝します。
まとめ
ブータンのナショナルチームを東京オリンピックに！という目標に向かい、今後もブータンのサポーツを続けていきたいと思います。また、このスポーツ事業を通してブータンと日本の強い友好関係を築いていけたらと考えています。
・本招聘プログラムは埼玉県寄居町とともに、企画：株式会社侍、協力：アスリートソサエティで実施しました。
・本ページに掲載の写真はすべてブータン写真家で本招聘プログラムのコーディネーター兼通訳の関健作さんに撮影頂きました。
